離れたい

彼女がされるみたいに褒められたかった。


彼女の配偶者のように思いやりの満ちた人だと自分の配偶者も見られたかった。



わたしも褒められたかった。

感謝されたかった。



彼女は毎日連絡を入れている。

わたしはいれていない。


おもしろい話もできないし、

笑わせることもできないし、

手放しに大好きだということもできないし、

なによりも近くにいないから直接的な手助けができない。



自らの意思でお金を渡してきた。


だけどそのことが自分の首を絞めている気もしてきた。



私が都度渡すお金は間接的に彼女に渡る。

昼を食べさせてもらい、休日は一家で出向き、食事を一緒にとる。




彼女が離れてから、立場が同じになってしまった。もう彼女の愚痴を間接的に聞くこともないだろう。



わたしはあの人にとって必要ではないだろうと思う。

どこにも寄り添えないわたしなど。



あの人は自分の母にされていやだったことを自覚して、認識していない。



全く同じことをわたしはされているような気さえする。



あの人の母より拘束力が強い分厄介だ。



離れなくてはいけないと、頭の中は警告でいっぱい。

頭ではわかっている。距離はあるから時間をあけるのが最善策だと。

でも、これ以上彼女に遅れをとってなるものかと意地になってさらに傷つきにいくんだろう。



あの人もいまわたしと同じ気持ちなんだろう。




もうみたくないよ。



彼のことも彼女のことも羨ましくてたまらない。